偏光と旋光性

偏光と旋光性

 

偏光

光は様々な方向に振動する波です。単一の平面の振動面を持つものを平面偏光といい同じ大きさの振動数を持った左円偏光と右円偏光のベクトル和とみなすことができます。

 偏光とはある方向だけに振動している波

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旋光性(光学活性)

光学活性物質が入った溶液に平面偏光を通過させるとき偏光面を右か左に回転させる性質を持つ性質です。左右円偏光に対する屈折率の差に起因します。

・光の進行方向に向かって平面偏光を右に回転させる性質を右旋性(d,+)
・光の進行方向に向かって平面偏光を右に回転させる性質を左旋性(l,ー)

・平面偏光が光学活性物質中を通過した時偏光面が回転する角度を旋光度

・一定条件での旋光度を比旋光度

  温度 :20℃ or 25℃

  光線 :ナトリウムスペクトルD線

 

測定

光線:ナトリウムD線

 

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x:用いた光線の名前
t:測定温度
α:旋光度
l:試料溶液の層長
c:試料溶液の濃度(g/ml)

旋光分散

旋光度は照射する光の波長によって変化します。平面偏光あたりの波長の旋光度変化を記録したものを旋光分散スペクトル(ORDスペクトル)といいます。

 

円二色性

平面偏光を物質に照射したとき左右円偏光に対する吸収に差があると、ベクトルの長さに差が生じ合成ベクトルは楕円になります。そのような性質を円二色性といいます。左右円偏光ごとのモル吸光係数の差 または 楕円率の変化を表したものを円二色生スペクトル(CDスペクトル)といい、立体構造の同定に利用されます。